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ハワイ・フード&ワイン・フェスティバル(HFWF)

シェフ、ミクソロジスト、ワイン醸造家が、「私の考えるハワイ」を料理やドリンクとして表現する食文化の祭典

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「世界のトップシェフ、気鋭のミクソロジスト、そして注目のワイン醸造家100人以上が一堂に集まり、それぞれが「私の考えるハワイ」を美味しい料理やお洒落なドリンクとして表現するハワイ・フード&ワイン・フェスティバル。10月20日~11月5日の3週間に渡り、マウイ島、ハワイ島、そしてオアフ島を巡って開催される食文化の祭典だ。」



「思いは一つ、表現は千差万別」

美味しい料理には物語がある。期間中、作り手たちは一つのテーマを共有し、それぞれの表現で料理や飲み物を創作する。物語のテーマとは、「ハワイの海山の幸を使って、今のハワイの文化や暮らしを感じさせること」だ。それぞれに趣向を凝らし、まだ味わったことがない料理を、目の前でシェフたちが作ってくれる。もちろん、料理にペアリングしたいワイン、カクテル、そしてクラフトビールもお好みで選ぶことができる。今や、太平洋エリアでは文句なしの最大規模、世界でも屈指といわれる食の祭典、ハワイ・フード&ワイン・フェスティバルも始まりはちょっとしたきっかけからだった。



話は十年前にさかのぼる。主催者の一人、ロイ・ヤマグチ・シェフは、オアフ島ハワイカイにある自らの店で毎年、仲間のシェフたちとささやかなパーティーを開いていた。ある年のこと、「この集まりを歴史に残るものにできたらいいね」と彼が何気なく口にした一言に、みんなが賛同した。最高にスタイリッシュで、最先端な楽しい食のイベントにしよう。しかも豪華なだけじゃない。「ハワイの人びとがどんな食文化を育んできたのかを示すんだ」。

こうして、ハワイの料理界をリードする 2人のシェフ、ロイ・ヤマグチとアラン・ウォンによって、数年間、暖めていたアイデアは2010年に、正式にグルメイベントとして立ち上げられた。



またとない食のアンバサダー

第7回を迎える今年は、日本を含む世界各国から100名以上のスター・シェフやミクソロジスト、有名なワイン醸造家などがやってくる。その顔ぶれは、ヤマグチ、ウォン両氏の交友関係を中心に、技量、実績ともにトップレベルの逸材ぞろいだ。さすが、料理界のアカデミー賞といわれるジェームス・ビアード賞を受賞した両シェフのネットワークは広い。



しかしそんな参加シェフにも、改めてハワイの生活、文化、地産地消の取り組みなどを一から学んでもらう。中には、タロイモ畑に自ら入って収穫するシェフもいるという。「彼らは、ハワイの食を語るアンバサダー(特使)になってくれるんです」と、ロイ・ヤマグチ氏は語る。 アラン・ウォン氏も、「ハワイの料理といえば、何でもかんでもパイナップルが載っているものと思い込んでいる人がまだ世界にはいますからね。こんなにもいろんな食材が、産地から直接テーブルへ届けられるんだという発見は、プロの料理人だって興奮するに違いありません」と言う。



各イベント会場では、未来の料理界を担うハワイの若手がアシスタントを務める。一流シェフたちのすぐそばで、彼らが料理に取り組む姿を目の当たりにできる絶好の機会だ。また、このイベントの収益金は、サステイナブルな未来の実現に取り組むハワイの団体への支援などに使われるという。



気になる、一夜ごとの小テーマ

各会場では、毎晩、古今東西の気鋭シェフ10〜15人前後がほぼ日替わりで料理を担当し、その晩の小テーマから着想を得て腕を振るう。

イベントの皮切りは、マウイ島のリゾート地カアナパリ。10月20日、「ロイズ・ゴルフ・クラシック」と銘打ち、リゾート内にある18コースを進みながら6つのフードテイスティングと6つのドリンクステーションでワイン、カクテル、ビールを楽しむという贅沢な趣向だ。翌10月21日は、シェラトン・マウイ・リゾート&スパで「グローバル・ストリートフード」、さらに10月22日は、ハイアット・リージェンシー・マウイ・リゾート&スパに場所を移して、「ラッキーセブン」となる。ちなみにこの晩は、ハワイアン航空が提供となり、このフェスティバル7周年記念7コースワインペアリングディナーが楽しめる。

10月28日はハワイ島に渡り、ワイコロア・ビーチ・マリオット・リゾート&スパで「リターン・オブ・キュイジーヌ・オブ・ザ・サン」が開催され、豪華な6コースディナーをたっぷりと堪能できる。



気ままに世界を旅するように

11月はいよいよオアフ島に舞台を移し、ハワイ・フード&ワイン・フェスティバルも佳境を迎える。11月3日は、ホノルルのヒップなエリアとして注目のカカアコで、地元の生産者ともコラボし、「ファームからテーブル、そして家庭へ」をコンセプトに、生と野生の食材を使った料理が楽しめる。11月2日は、ザ モダン ホノルルで「スパイスマーケット」と銘打ち、多様なスパイスを使った創意いっぱいの味がお目見えする。この他、ワイキキやコオリナなどでもさまざまな食の体験が待っている。中でも今年、注目されるのは、11月3日ハワイコンベンションセンターのルーフトップガーデンで開かれる「アンコークド 」だ。「ワインのコルクを開ける」と題したこの夜は、その名の通り、20社を超える世界最高峰のワインメーカーの最上級ワインと、そこからインスピレーションを得た各国のシェフ20人による料理とのマリアージュが体験できるのだ。ホノルル、サンフランシスコ、シカゴ、北京、ソウルなどからやって来たシェフたちの創作する料理は、まるでハワイアン航空が結ぶ味の旅のようだ。旅程を立てるように思い思いにブースに立ち寄ったり、舞い戻ったりしながら楽しめる究極のフード&ワインテイスティングだ。



地元ハワイからこの「アンコークド 」に登場する Nobuの松久信幸シェフは、「ハワイの食の素晴らしさを、皆さんにお届けしたいと思います」と意気込みを語る。また、The Street Honoluluのマイケル・ミーナ・シェフは「ハワイ・フードのユニークさと同時に、美味しさを感じる至福のひとときは世界共通だってことを実感していただきたいですね」とメッセージを寄せてくれた。

まさに食を越えた「ハワイの文化を伝える」イベントになっているハワイ・フード&ワイン・フェスティバルだが、難しい理屈は抜きだ。誰もが気軽に参加し、美食の体験を分かち合うことで、ハワイの食文化に一役買えるのが嬉しい。

ハワイ・フード&ワイン・フェスティバル(HFWF)のホームページ:

www.HawaiiFoodAndWineFestival.com

著者 道添進

写真提供 ハワイ・フード&ワイン・フェスティバル(HFWF)

July 17, 2017