サンゴ礁は成長し、繁殖する動物であり、たくさんの海洋生物に生息地を提供しながら、海岸を浸食から守っています。近年、世界のサンゴ礁は大幅に減少しています(ハワイ州とオーストラリアのグレートバリアリーフは40%、カリブ海は85%、フロリダキーズは99%の減少)。
サンゴ礁に害を与える日焼け止めを禁止するハワイの取り組みから始まった「ワールドリーフデー」(6月1日)は、世界中で絶滅の危機に瀕しているサンゴ礁の繊細な生態系について皆で考え行動を起こそうと、消費者や企業、団体に呼びかける日です。サンゴ礁が人間の活動によっていかに傷つけられているかという認識を広め、日常のささやかな行動でこれを変えていけることを広めよう、というのがワールドリーフデーの目的です。私たち一人ひとりにできることをご紹介します。
1. サンゴ礁に無害な日焼け止めのみを使用する
2021年現在、ハワイでは、サンゴ礁に害を与える化学物質オキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止めの使用が禁止されています。日焼け止めを荷物に入れる前に、必ずボトルに印刷されている成分をご確認ください。もしくは、日焼け止めの代わりに帽子とUVカットのシャツやラッシュガードを着用するのもおすすめです。ラッシュガードはサーファーがよく着ている薄い長袖のシャツで、着たまま泳ぐことができます。
さらに良いのは、サンゴ礁に無害な日焼け止めをハワイで購入して、地元のビジネスを支援することです。ネイティブハワイアンが運営するハワイ島のAO Organicsは、缶入り、スティック式、さらにはリキッドタイプと、さまざまな日焼け止めを販売しています。Kona Skin Careでも、塗りやすいスプレー式の日焼け止めを販売しています。マウイ島のMama KULEANAは、環境に優しい「バイオ容器」を製品に使用、さらにRaw Love Shopはスキューバダイビングをする人のための日焼け止めを製造しています。オアフ島のLittle Handsは、3種類の肌色に合わせた日焼け止めや、ヴィーガン用の日焼け止めを製造しています。
2. 海を楽しむときは責任ある行動を
海で遊ぶ前に、そのエリアについて学びましょう。その場所に規制があるかをご確認ください。たとえば、場所によっては魚に餌をやることが禁止されています (人間の食べ物は特に魚にとっては害であり、サンゴ礁の正常なライフサイクルを乱します)。ホテルのコンシェルジュやマリンスポーツショップの店員に、責任ある行動および取ってはいけない行動についてご相談ください。
ビーチに掲げられた標識には、潮流や高潮、海洋生物に関する注意などが書かれているので、しっかり読みましょう。水中を見渡してサンゴ礁や波の様子を確認し、サンゴ礁を踏んでしまわないように気をつけてください。当然ながら、サンゴ礁の破片を取ってはいけません。また、海に入って良いか判断に迷うときは、入るのをやめましょう。海で安全に過ごすヒントについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
3. 地域の自然保護活動を支援する
サンゴ礁は、流出水によってできる堆積物や、海の酸性化(炭酸カルシウムの殻の形成が困難な環境となりサンゴ礁が形成されにくくなる)によるストレスにさらされており、地球の気候変動によっても海水の温度が上昇し、負の連鎖が起きています。日焼け止めを変えることでこうした問題のすべてを解決することはできませんが、私たちが選ぶことができる選択肢のひとつです。
幸いなことに、複数の非営利団体が、さまざまな角度からハワイのサンゴ礁を守るための取り組みを行っています。Coral Reef Alliance (CORAL) は、地域コミュニティと緊密に連携して、水質やサンゴ礁に影響を与えにくい景観設計、自然ろ過プロセスなどに関する市民科学プログラムをサポートしています。Surfrider Foundation - Hawaii Regionは、海や海岸線を守るための法整備を提唱しています。この2つの団体は、HawaiianMilesによる寄付を受け付けているハワイアン航空のパートナー団体です。マイルを寄付することで、各団体がさらに広く情報を伝える活動をサポートすることができます。
4. 役立つヒント
- 日差しの強い時間帯は日陰で過ごしましょう(10時~14時)。
- 日焼け止めは有効成分として酸化亜鉛や酸化チタンを含むものを使用し、首、顔、足、手の甲だけに塗ります。体のそれ以外の部分は、帽子や長袖のラッシュガード、ビーチウェアなどで日焼けを防止しましょう。
- オキシベンゾンとオクチノキサートだけでなく、人体にも海洋生物にも有害といわれるホモサレート、オクトクリレン、アボベンゾンにも注意しましょう。
- 成分リストに読み方の分からないような化学物質がたくさん使われている日焼け止めも、要注意です!
- スプレー式の日焼け止めは吸い込むと人体に害を与え、最終的にはあらゆるものに付着して何らかの形で海に流れ込みます。
- 日焼け止めを塗ったけれど海には入らないという場合でも、シャワーの水から成分が海に流れ込んでしまうのです。