オアフ島沖の小島

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オアフ島沖の小島

興味をそそるハワイ諸島の小島をいくつかご紹介します

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太平洋の中心に位置する有名なハワイ諸島の主要 8 島をご存じの方は多いでしょう。

実はハワイ諸島は、ハワイ島からクレ環礁まで、南北約 2414 キロメートルにわたって広がっています。合計 137 の島から成る群島で、その中には小さな島々、環礁、サンゴ礁、海山などがあり、この地域固有の魚や動植物が生息しています。

オアフ島ウィンドワード (東向き) の海岸では、カマ アイナ (地元の人) にもマリヒニ (訪問者) にも小島の美しさとその重要な役割がよく知られています。これらの小島はビーチから眺めることができ、しかも少し船に乗るだけで着く距離にあるのです。


モカオーア (ゴート島)

Mokuauia (Goat Island)

上: モカオーア (ゴート島)。写真提供: LanaCanada/Getty Images

モカオーアにヤギ (ゴート) はいませんが、ライエ ベイに浮かぶ鞍のような形のこの島はゴート島と呼ばれ、広さは 13 エーカーほどで、現地の人がお腹を空かせた家畜を連れて来て放牧させる場所になっています。ネイティブ ハワイアンのモオレロ (物語、伝説) では、モカオーアと、ライエ ポイント近くの他の 4 島 (島中央部の「穴」で知られるプカ島など) は、半神半人のニヘウとカナが巨大なトカゲを殺して刻み、海に投げたときにできたと言われています。

マラエカハナビーチから泳いで行ける距離 (およそ 0.8 キロメートル) に位置するモカオーアは、柔らかい砂の上に巣穴を作るミズナギドリの保護区になっています。ゴート島を訪れたら、入り組んだトンネル状の巣にいる親鳥や巣立ちしたばかりのひなを傷つけたり死なせたりすることがないよう、周辺にある道から外れないようにしてください。観光客は美しい景色を楽しむだけでなく、貝を拾ったり、海洋生物を探したり、海岸から見て島の左側にある安全なラグーンで遊んだりできます。


モコリイ島 (チャイナマンズ ハット)

Mokoli‘i (Chinaman’s Hat)

上: モコリイ島 (チャイナマンズ ハット)。写真提供: Getty Images

昔アジアの農夫が畑仕事の際に被っていた円すい形の帽子にちなんでチャイナマンズ ハットと呼ばれていますが、モコリイとはハワイの言葉で「小さなトカゲ」という意味です。伝説によると、この島はペレの妹である火の女神ヒイアカが大トカゲまたは竜のしっぽを切って海に捨てた残骸なのだそうです。

クアロアビーチ パークとその隣のクアロア ランチの正面に位置するモコリイ島は、ホノルル統合市郡が所有し、州および連邦の公園規制によって保護されていますが、夜間の一般立ち入りが許可されています。この島へは、海岸からおよそ 0.5 キロメートルの距離をカヤック、ボート、サーフボード、スタンドアップ パドル ボードで渡るか、泳いで (さらに干潮時には水中を歩いて) アクセスできます。


ポポイア (フラット アイランド)

Popoi‘a (Flat Island)

上: ポポイア (フラット アイランド)。

ポポイアとはハワイの言葉で「腐った魚」を意味しますが、ご安心ください。カイルアビーチ パークの船用スロープから約 0.4 キロメートル沖に進めば、フラット アイランドが楽しい体験を豊富に味わえる場所だとおわかりいただけるでしょう。

島のこの伝統名は、かつて島の中央にあった大漁祈願の神殿に残されたお供え物の臭いを指しているのでしょう。この神殿は 1946 年に津波で壊れてしまいました。フラット アイランドはハワイ州の海鳥保護区の一部なので、訪れる際は営巣する鳥の邪魔にならないよう、海岸線地帯から離れないようにしてください。

フラット アイランドには小さな砂浜がいくつかありますが、入江になっているため波の接近から守られています。島の南東端には人気のサーフブレイクがありますが、ワイプアウトでサーフボードから落ちてしまうとサンゴ礁や険しい崖にぶつかってしまうおそれがあるので十分注意してください。


モクルア島

The Mokulua Islands

上: モクルア島。写真提供: Henry Price

ハワイの言葉でナ モクルアとは「2 つの島」を意味し、白い砂のラニカイ ビーチから 1.2 キロメートルほど沖にある、よく知られた 1 対の小島にぴったりの名前です。

それぞれ島にはモク ヌイ (浜から見て左にある大きい方の島、2 つのこぶが特徴)、モク イキ (完全立ち入り禁止) という名があり、ハワイ州の海鳥保護区に指定されています。ハワイ有数の被写体であり有名なランドマークでもあるこの「双子の島」は、およそ 300 万年前に大型のコオラウ楯状火山の一部として形成されました。

観光客の多くはカヤックやボートで島に赴きますが、泳ぎに自信がある方は海が荒れていなければ泳いで渡ることも可能です。上陸や散策ができるのはモク ヌイに限られています。保護されている海洋生物やサンゴ群には注意してください。


モク オ ロエ (ココナッツ島)

Moku o Lo‘e (Coconut Island)

上: モク オ ロエ (ココナッツ島)。

腰をおろし、物語に耳を傾けましょう……

ココナッツ島は往年のテレビ番組「Gilligan’s Island (ギリガン君SOS)」の舞台でした。広さ 28 エーカーのこの島をリゾートや会員制クラブにしようとする動きもありましたが、今では教育のために役立てられています。このサンゴ礁の島は、島の形が釣り針の曲線に似ていることからハワイの言葉でモク オ ロエと名付けられています。

これまで何人もの土地所有者が居住地とし、第 2 次世界大戦では部隊の保養所となり、またホテルとしても使われたココナッツ島は、最終的に州が買い上げました。今はハワイ海洋生物研究所があり、またハワイ大学のプログラム ネットワークの一環として、サンゴ礁に建つ米国唯一の研究所にもなっています。


オアフ島沖の小島は州の野生動物保護区であり、多くの島は観光客の立ち入りを禁止しています。各島の規則や安全上の注意事項について詳しくは、ハワイ州土地天然資源局のウェブ サイト (こちら) にアクセスしてください

著者 Kyle Galdeira