ホイケ・ラナキラ

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ホイケ・ラナキラ

勝者たちが紡ぐ「夢」

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アジア最大規模のハワイアンイベントが登場

ハワイ人気が高まる日本でも、特に夏はフラ&ハワイアン音楽のハイシーズンだ。ハワイ色あふれる催しが彩る日本の夏に、今年はさらに超メガ級のハワイアンイベントがお目見えする。6月20日、大阪を皮切りに4都市で7公演が予定されている「ホイケ・ラナキラ」だ。

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ホイケ・ラナキラは、ハワイのグラミー賞とも称される音楽賞「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」、そしてハワイ最高レベルの各フラ競技会で受賞を重ねてきたハワイ指折りのミュージシャン、フラダンサー約150人を招いて催される一大イベント。

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過去の受賞者も招いての大々的な開催になるため、出演者の豪華な顔ぶれに、まずは驚かされる。ミュージシャンはナタリー・アイ・カマウウ、カウマカイヴァ・カナカオレ、チャド・タカツギ、ナ・ホアら8組、またフラダンサーとしてはカ・レオ・オ・ラカ・イ・カ・ヒキナ・オ・カ・ラー、ハラウ・ナ・マモ・オ・プウアナフル、フラ・ハラウ・オ・カムエラなど、ハワイを代表する6組のフラ・ハラウ(フラの学校)と著名クムフラ(フラの指導者)が出演する。

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ハワイ最高のミュージシャン&ダンサーが夢のコラボレーション

しかもこれら出演者が6組に分かれて共演し、ステージを創りあげるというスタイルも斬新だ。たとえば今年5月のナ・ホク・ハノハノ・アワード(以下、ナ・ホク)で最優秀ハワイアン音楽アルバム賞など4部門を制覇したチャド・タカツギの唄で踊るのは、マウイ島の名門、ハラウ・ナ・レイ・カウマカ・オ・ウカと、オアフ島の新進ハラウ、ハラウ・ヒイアカイナマカレフアのダンサー。また最優秀女性ボーカリスト賞ら2部門で受賞したナタリー・アイ・カマウウは、今年のメリーモナークでミス・アロハ・フラ(女性ソロ部門勝者)の座を射とめたケイリ・カーとコラボレーションする。

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ナ・ホクを主宰するハワイ・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ(HARA))のパリ・カアイフエ会長も、ホイケ・ラナキラの魅力を次のように語る。

「ホイケ・ラナキラではフラと音楽が別々に進行するのではありません。ハワイのトップミュージシャンが主要ハラウと組んでパフォーマンスするという点が、大きな特色です。音楽の比重も大きく、大阪、千葉、名古屋、札幌の各都市で、フラ愛好家とハワイアン音楽ファンの双方を魅了する素晴らしいステージを見せてくれるでしょう」


ステージを貫くテーマは「夢」

もう一つホイケ・ラナキラには、これまでのハワイアンイベントと一線を画するコンセプトがある。それはフラと音楽を単純に披露するのではなく、テーマに沿って構成されたショー仕立てのステージとなっていることだ。イベントを統括するヤスダインターナショナルの安田慶祐ディレクターが、そのユニークなコンセプトを説明してくれた。

「今回の公演には、『夢』というショーを貫く大きなテーマがあります。そして出演者がコラボする各セクションにも『未来への夢の架け橋』『伝統を守りつつ進化をする、それが夢の冒険』といった小テーマがあります。各セクションで出演者の夢やビジョンが表現され、彼らの夢が詰まった、また夢を反映した曲をお見せすることになります」

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つまり各出演者の想い入れやこだわりのある唄とフラで、ステージが構成されるわけだ。

「実はホイケ・ラナキラを創り上げていくにあたり、出演者に夢の聞き取りをしたのです。各人の夢はたとえばハワイを再び独立国にしたいという想いだったり、先人から学んだ伝統を次世代に残していくという目標、フラや家族への愛を表現することなどいろいろでしょう。そういった夢はミュージシャンなら創る曲、ダンサーなら選曲にこめられているでしょうが、曲を披露するだけのステージでは、せっかくのメッセージも伝わりづらい。そこでこの公演では夢、ビジョンに沿った選曲をしたうえ、一緒にメッセージを映した映像を流して聴衆に訴える、そんな演出を企画しています」

さらに舞台装置もかなり大がかりになる予定だ。照明や大型スクリーン、スモークも駆使して、会場と舞台が一体化しての非日常的、幻想的な舞台造りを目指す。「シルク・ドゥ・ソレイルのような非現実な空間をイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか」と安田さんは笑う。

「とにかく目指すものは、今までになかったハワイのショーです。これまでハワイアンイベントとは縁がなかった層にもアピールし、フラ&ハワイアン音楽ファンの人口、ひいてはハワイに行きたいと考える人の総数も底上げするような、ハワイにも貢献するイベントにしていきたいのです」

ちなみにホイケ・ラナキラのラナキラとは、勝利や勝者を意味するハワイ語だ(ホイケはショーの意)。名付け親は、ハワイの名門校であるカメハメハスクール高等部の元校長でHARA理事のジュリアン・アコ氏。そこに関わる全員が勝つというWin-Winの精神や願いが、命名には込められているのだろう。

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「出演者全員、今からワクワクしています」

最後に3組の出演者に、日本のハワイファンに向けてメッセージをいただいたので紹介したい。

まず今春のメリーモナークで総合優勝を果たしたハラウ・ナ・マモ・オ・プウアナフル。メリーモナークの優勝メンバー14人のうち10人の男性ダンサーの来日が見込まれており、これがメリーモナーク以来、日本での初舞台になる。「現代フラではメリーモナークの受賞曲、古代フラではほかの曲をお見せします。ハワイの受賞者を集めた私たちラナキラ集団と一緒に、素晴らしい音楽とフラを楽しんでほしいですね」(クムフラのサニー・チン)。「本当にたくさんのクムフラとダンサーがハワイから来日し、フラへの愛を日本の皆さんとシェアします。会場でお会いしましょう」(クムフラのロパカ・イガルタ・ディべラ)。

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またチャド・タカツギからは「トップのミュージシャンとダンサーを集めての公演ですから、間違いなく格別なステージになります。これほど高レベルの音楽とフラをシェアできる機会は滅多にありません。昨年のアルバムからも『ロゼ・オナオナ』『ヘ・ヴェヒ・ノ・パウアヒ』など大好きなフラソングを歌います」とのメッセージが。ナタリー・アイ・カマウウは「これはただのコンサートではなく祝宴です。驚くような計画が進行していて、特別な舞台になることをお約束します。出演者は全員、今からワクワクしていますよ」との言葉 が寄せられている。

ハワイからの熱い想いを受けとめた夢舞台、ホイケ・ラナキラは、いよいよ6月20日に大阪で開幕する。

ホイケ・ラナキラ(ヤスダインターナショナル)のホームページ:
Yasuda-Intl.com/Project/Lanakila

 

著者 森出じゅん

June 14, 2016