ナ・ホク・ハノハノ・アワード&ミュージックフェスティバルといえば、ハワイのグラミー賞とも称される音楽賞であり、ハワイアン音楽の祭典だ。毎年5月にホノルルで発表される賞の行方を、音楽業界だけでなく巷の人びとも手に汗握って見守る、そんなハワイアン音楽界最高峰の祭典といえる。
このナ・ホク・ハノハノ・アワード&ミュージックフェスティバル(以下、ナ・ホク)の前哨戦ともいえる催しが、昨年から日本でスタートし、日本のハワイアン音楽ファンを歓喜させている。ナ・ホクの主要10部門の最終候補を、全世界に先駆けて、日本のファンの前で発表しようという画期的なイベント、ナ・ホク・ハノハノ・アワード・ノミネーション&ミュージックフェスティバルがそれだ。
第1回フェスティバルは昨年4月、千葉の舞浜で開催され、レジェンド的存在のハワイアンバンド、カラパナをはじめライアテア・ヘルム、ジェフ・ピーターソン&ネイサン・アヴェアウ、マウナルアら豪華メンバーが一堂に集結。春の日本でハワイ旋風を巻きおこしたのは、記憶に新しい。そんな日本での熱狂的な反響に応え、今年もまたナ・ホク・ハノハノ・アワード・ノミネーション&ミュージックフェスティバル(以下、ナ・ホク・ノミネーションフェスティバル)が、4月10日に舞浜のアンフィシアターで大々的に開催される。
ナ・ホク・ハノハノ・アワードという音楽祭
ナ・ホクはハワイで1982年に創設され、今年で39回目を迎える。伝統ハワイアンやコンテンポラリー・ハワイアン、スラックキーギターなど30分野で優れたアーティストおよび作品が表彰され、賞の権威はもちろん、その知名度、注目度のすべてにおいて、ナ・ホクに並ぶ音楽賞はハワイに存在しない。各賞発表の合間には旬のアーティストの演奏がふんだんに盛りこまれ、ハワイでのTV生中継は毎年高い視聴率を誇っている。
このナ・ホクのノミネーションを日本で発表し、エキサイティングな授賞式の雰囲気をそのまま再現しようというフェスティバルが実現した経緯を、ナ・ホク主宰団体であるハワイ・アカデミー・オブ・レコーディングアーツ、通称HARAのパリ・カアイフエ会長が次のように説明してくれた。
「日本にもフラやハワイアン音楽のイベントはたくさんあります。そんな中で、日本のファンに本物のアイランドスタイルの音楽とアーティスト、そのパフォーマンスに直に触れてもらいたいという思いから、フェスティバルの話が持ち上がったんですね。2年前のことでした」
2011年からHARA会長を務め、自身も多数のナ・ホクを獲得したアーティストでもあるパリさん。
「ハワイのミュージシャンはみな、日本の音楽ファンの支援に深く感謝しています。というのもこれほど長きにわたり、ハワイのアーティストを応援し続けてくれた国は日本以外ありません。その感謝の気持ちを込めて、ナ・ホクとしての協力が決まり、ナ・ホクの候補を発表するフェスティバルが日本で開かれることになりました」
ナ・ホク・ノミネーションフェスティバルを統括するエグゼクティブプロデューサー、ピーター・ウィリアムスさんも言葉を重ねる。
「日本のファンほどハワイアン音楽に造詣が深く、耳のこえた聴衆はいません。彼らの心に響く音楽を提供してアロハなフィーリングを感じてもらうには、相当レベルの高いパフォーマンスを供さないといけないのです」
ただしそれほど熱心なハワイアン音楽ファンであっても、ホノルルのナ・ホクを会場で直に観ることは難しい。
「そういうことから、日本のファンにもハワイの音楽業界最高峰のイベントに匹敵する音楽体験をしてもらおうと、ナ・ホク・ノミネーションフェスティバルが、舞浜で行なわれることになりました」と、ピーターさんは開催を心待ちにしている。
今年も豪華メンバーの来日が決定!
ナ・ホク・ノミネーションフェスティバルを目前にひかえ、今年もまたハワイを代表するアーティスト多数の来日がすでに決定している。出演者について「ハワイの音楽といっても伝統的なハワイアンに限らず、アイランドレゲエなど様々なジャンルがあるんです。各ジャンルの優れたアーティストを一堂に集め、ハワイの音楽の多様性を知ってもらうという概念のもと、ラインナップが決められます」と語るのは、前出のパリさん。
ナ・ホクの常連や新人アーティスト、新作CDを出したばかりの話題のミュージシャンなどの中から出演者が決められ、2月末時点では、ナタリー・アイ・カマウウ、ハパ、チャド・タカツギ、カペナ、ラフライダーズの5組が確定している。
ナタリーは、ナ・ホク最優秀女性ボーカリストにも輝いたハワイの歌姫。今年2月にグラミー賞の候補になったことでも注目を浴びたばかりだ。またハパは、コンテンポラリー・ハワイアン界の名デュオとして、ハワイ内外で高い人気を誇る。元アレアのメンバーであるチャド・タカツギは、伝統ハワイアン音楽の正統派シンガー。昨年10月に出したソロCDが今、好評だ。そしてカペナの創立メンバー、ケリー・ボーイ・デリマとその子どもたちで結成された“新生”カペナは、息の良さとエネルギッシュな演奏で知られる親子バンド。
中でも特筆すべきは、ラフライダーズだろう。セシリオ&カポノ以来、世界にその名を轟かせているヘンリー・カポノ、アイランドレゲエの生みの親ともされるブラザー・ノーランド、そしてグラミー賞受賞者でもあるジョン・クルーズという、ハワイを代表する大御所3人が結成したバンドで、そのパフォーマンスは地元ハワイですら滅多にお目にかかれない貴重なもの。パワフルな演奏で、日本の聴衆を魅了してくれるに違いない。
4月の舞浜がハワイ色に染まる
しかも4月の舞浜のハワイアンイベントはナ・ホク・ノミネーションフェスティバルだけではない。たとえばその前日には、同じく舞浜アンフィシアターでフラ・ホイケ(エキシビジョン)が開催され、約25組のグループが美しいフラを披露する。ナタリー・アイ・カマアウとハパのライブも予定されており、フラと音楽の双方が楽しめる。
そのほか関連イベントとして、4月1日~10日、アンフィシアターにほど近いイクスピリアに、ハワイの雑貨やアクセサリーなどのブースが集まるアロハマーケットが登場。期間中の週末にはフラやライブ音楽が楽しめるアロハマーケット・ステージも予定されている。
ナ・ホク・ノミネーションフェスティバルのホームページ:https://nahokuhanohano.jp{0}