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ハワイのライオン・コーヒーの物語

ライオン・コーヒーの歴史と完璧なコーヒーの作り方

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上:カッピングプロセス用に準備されたコーヒーのサンプル。



ライオンの頭のロゴが象徴的なライオン・コーヒーは、ハワイで最も愛されているブランドの一つです。また、1864年にオハイオ州トレドで創立されたライオン・コーヒーは、米国で商標登録を受けた最も古い企業の一つでもあります。20世紀初頭から半ばにかけてその名が知れわたるようになった後、同社は清算され、1977年まで休止状態となっていました。創立から一世紀近くが経過した後、ハワイの起業家であるJim Delano氏が、このコーヒー会社を買収し、ホノルルのダウンタウンで事業を再開しました。ライオン・コーヒーは、今ではハワイでコーヒーを生産する最大の企業になり、世界中で販売を展開しています。

ハワイアン航空は、ライオン・コーヒーを所有しているハワイ・コーヒー・カンパニーの最高マーケティング責任者のWenli Lin氏に、同社の155年にわたる堅実な歴史についてお話をうかがいました。

本インタビューはわかりやすくするために若干編集しております。


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上:カッピングプロセスを監督するローストマイスターのSam Schank氏。


Q:起業家のJim Delanoが、ハワイに引っ越し、オアフ島で会社を再開した理由は何だったのでしょうか?
A:Jim Delanoは、自身の能力によって成功した起業家でした。また彼はコーヒー愛好家でもありました。1977年に彼がオアフ島に引っ越してきたとき、高品質のコーヒーを見つけることができなかったのです。先見性のあった彼は、「私自身のグルメコーヒーの会社をスタートさせる」と言いました。Jimは大学では美術史を専攻し、アメリカンアンティークの長年のファンでした。そして、そのうちに1800年代の古いライオン・コーヒーの絵葉書を見つけ、ライオン・コーヒーは清算されたものの、ブランドの権利が存在することを知りました。そこで彼はオハイオに行き、ライオン・コーヒーの商標と権利を購入しました。それらを買収したのに伴って、ホノルルのダウンタウンの222 Merchant Streetでライオン・コーヒーを開店し、地下でコーヒーの焙煎とブレンドを始めました。その後1984年には、ダウンタウンの端に位置する、現在のカカアコ、831 Queen Streetにライオン・コーヒーを移転しました。毎朝仕事に行くときのコーヒーの香りを今も覚えている地元住民も少なくありません。


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上:カリヒにあるライオン・コーヒーではビジター向けに歴史的な品々が展示されている。


ライオン・コーヒー豆知識

  • 1880年代に非常に人気のあった郵便でのキャンペーン通知は、米国郵便公社が料金別納システムを開始するきっかけになりました。
  • ライオン・コーヒーは、1880年代に鮮度を保つための革命的な保存容器とみなされていた、1ポンド入りコーヒー缶を最初に使用した会社の一つです。
  • ライオン・コーヒーのオリジナルローストとバニラマカダミアは、今日最も人気のあるフレーバーです。
  • 焙煎工場見学ツアーには毎年3,000人以上が参加しており、その75%は日本からの旅行者です。

Q:1980年代、ライオン・コーヒーはコナマカダミアやチョコレートマカダミアなどのフレーバーをコーヒーに加え始めました。どのようにしてフレーバーが加えられることになったのですか?
A:Jimは世界各地を旅行していましたので、中東の人々が数百年にわたってナッツ、スパイス、フレーバーなどをブレンドしてコーヒーを飲んでいることを恐らく知っていたのでしょう。1970年代初頭、通常のブラックコーヒーや砂糖とクリーマーの入ったコーヒーだけでなく、より多くのフレーバーのバラエティを求める声がコーヒー愛好家の中で高まるようになりました。フレーバー入りのインスタントコーヒー、フレーバー入りのクリーマーとシロップが発売され、フレーバーコーヒーの技術も向上し始めました。Jimは、ハワイの島々を感じさせるフレーバーをコーヒーに付けるアイデアを思いつきました。「ライオン・コーヒー・ラボ」でローストマイスターと協力しながら、Jimはさまざまなトロピカルフレーバーを持つコーヒーを開発しました。多くは特許を取得しており、当社は今もオリジナルフレーバーの配合の権利を一部保有しています。


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上:カッピングはさまざまなコーヒーブレンドの味と香りを評価するために使用されている。


Q:ライオン・コーヒーはどのようにしてハワイ最大のコーヒー生産者になったのでしょうか?

A:品質とイノベーションに尽きると思います。Jim Delanoは、ライオン・コーヒーは最高でなくてはならないという事実に徹底し、常に最高のコーヒー豆を購入しました。1980年代には、豆を焦がしたり、つぶしたりすることなく、豆の焙煎を最大化するように設計されたロースターを購入しました。それは当時は革命的なものと考えられ、焙煎品質が大幅に向上しました。1984年には、コーヒーをより長期間にわたって新鮮に保つためにコーヒーの袋にエアバルブを取り付けて天然ガスを放出する真空パック製造機をハワイに初めて導入しました。

Q:ライオン・コーヒーはカリヒにある55,000平方フィートの施設で作られ、無料の焙煎工場見学ツアーを行っています。見学ツアーで最も楽しめるのはどのようなところでしょうか?

A:お客さまご自身の五感をフルに使っていただく体験でしょう。コーヒー豆がどこから来たものかを説明する際に、麻袋に入った緑色の豆を触ることができます。焙煎所内ではローストされたコーヒーの香りが楽しめます。機械がコーヒーの袋を作る音を耳にすることもできます。バッグにコーヒーが充填される様子も見られます。そしてツアーの終わりには、コーヒーを試飲していただいています。お客さまの多くが、美味しいコーヒーを作る際の我々の細部への配慮と注意に気付くことになるでしょう。


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上:ライオン・コーヒーのビジターは焙煎過程を見学することができる。


Q:現在ライオン・コーヒーはどこで購入できますか?

A:私たちは国際的なブランドです。ハワイと米国西海岸以外では、日本、韓国、台湾、香港、グアム、サイパンの店頭にライオン・コーヒーが並んでいます。また弊社ホームページ(lioncoffee.com)でも販売しています。ハワイでは、食品等が販売されている量販店、小売店でライオン・コーヒーを見つけられます。また、多くのホテル、レストラン、カフェでも提供されています。

Q:カマアイナ(地元住民)とハワイへの旅行者がライオン・コーヒーを愛する理由は何でしょうか?

A:ライオン・コーヒーは、ハワイのコーヒーブランドの中で長年にわたりトップの市場シェアとブランド認知度を誇っています。私たちは「Hawaii’s Favorite First Cup(ハワイで最も愛される朝の一杯)」をお届けするという約束を果たすことを使命としています。カマアイナは、私たちの長い歴史を知っており、また、私たちが品質を変えたり、犠牲にしたりすることなく、何年にもわたって味に常に忠実であることを知っています。ライオン・コーヒー、特にハワイの島々を感じさせるフレーバーコーヒーは、多くの旅行者にとって、ハワイでの楽しい思い出を連想させるものなのです。


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上:ライオン・コーヒーは過去40年間にわたってハワイで焙煎されている。


 

著者 Tiffany Hill

April 19, 2019