特集記事

食品エンターテイメント 文化

シェイブアイスがハワイ名物になった理由

ハワイきっての大人気スイーツ。ルーツはこの土地のプランテーション時代にさかのぼります。

Shave Ice Hero
上:いつも行列ができているハレイワのMatsumoto's Shave Iceは、口に入れた瞬間にふわりと溶ける氷の細かさが特徴。

鮮やかなレインボーシロップのシェイブアイス。冷たいデザートという意味では、ハワイのシェイブアイスは驚くほどにシンプルです。地元の人たちに一年中食べられていて、ハワイを訪れる人々も必ず食べる人気のデザート。バラク・オバマ元大統領も、オアフ島を訪れるたびに家族でシェイブアイスを食べています。


削った氷にシロップをかけたスイーツは他の国にもあり、フィリピンではハロハロ、中国では刨冰、韓国ではパッピンスという名で呼ばれています。ここハワイのシェイブアイスのルーツは、島のプランテーション時代にさかのぼります。1800年代中頃にハワイのサトウキビ畑やパイナップル畑で働くために日本から移民してきた人々が、「かき氷」を持ち込んだのです。シェイブアイスと同じ「削った氷」を意味するかき氷は、7世紀から9世紀ごろに誕生しました。ハワイに移住した日本人は、暑さを乗り切るために、日本から取り寄せた氷削機で氷のかたまりを削って、砂糖やフルーツジュースをかけて食べました。ハワイの言葉では、このスイーツは英語の「Shaved Ice(シェイブドアイス)」ではなく、「Shave Ice(シェイブアイス)」と呼ばれています。(ハワイ島では、アイスシェイブとも言います)


Ululani'sの人気メニュー2品

上:楽しみの半分はトッピング!モチとリーヒンパウダーをのせた、マウイ島にあるUlulani's Shave Iceのシェイブアイス。

おすすめの店

ハワイのおすすめシェイブアイス店をご紹介します。

詳細はこちら

プランテーションで働いた日本人移民の中には、のちに近隣に家族で店を構えた人々がいて、そうした店では食料や日用品、そしてシェイブアイスを販売していました。有名なMatsumoto’s Shave Ice(マツモト・シェイブアイス)も、もともとは1951年に食料雑貨品店としてスタートした店でした。今では、多くの人が訪れるオアフ島ノースショアにあるシェイブアイスの店として知られています。オーナーのスタン・マツモト氏によれば、両親のヘレンさんとマモルさんは、お客様へのサービスとしてシェイブアイスの販売を始めたといいます。それが地元の人にも観光客にも人気となり、特にサーフィンの聖地であるオアフ島ノースショアを訪れるサーファーたちの間で大人気となりました。Matsumoto’sの人気は今も変わらず、多いときは1日1,000杯以上のシェイブアイスが売れるとか。

Matsumoto’sをはじめ、シェイブアイス各店では最高のシェイブアイスを作るための技術に磨きをかけています。アメリカ本土で食べられているスノーコーンはクラッシュアイスを使いますが、シェイブアイスの氷は細かくふわふわに削られたもの。そのため、粉雪のようにきめが細かく、繊細な食感が生まれるのです。かつて、シェイブアイスは手動の氷削機を使って作られていました。今でも手動の氷削機を使っている店があります。カップにふわっと盛られたシェイブアイスには(コーンを使う店もあります)、砂糖を使ったカラフルなシロップやフルーツの自然な甘味で作られたシロップがたっぷりとかけられます。フレーバーの組み合わせは無限大。パイナップルやストロベリー、マンゴーなど定番のフルーツのほかに、ピニャコラーダ、バニラケーキ、グリーンティーなどの新しいフレーバーも誕生しています。最近では、主にハワイ産のフルーツから作った自然素材のシロップだけを使う店も増えています。ある意味、こうしたお店はフルーツシロップをかけていたプランテーション時代のシェイブアイスのルーツに戻ったと言えるでしょう。


美味しくて量もたっぷり

上:美味しくて量もたっぷりの、Original Big Island Shave Ice Co.。

シェイブアイスはシンプルなデザートですが、無限に近いバリエーションが生まれています。ハワイにあるシェイブアイス店のメニューを覗けば、スタンダードなシロップをかけただけのシェイブアイスも美味しそうですが、いろいろなトッピングを乗せたものはさらに惹かれます。シェイブアイスと同じように、最初のトッピングも日本からやってきました。甘く煮た小豆は、初めてシェイブアイスに加えられたトッピングのひとつ。最初に容器に入れておいてシェイブアイスを乗せ、氷を食べ進むと最後に甘味を楽しめるという仕掛けです。その他の人気のトッピングには、バニラアイスクリーム、モチボール(白玉)、新鮮なフルーツ、リーヒンパウダー(甘酸っぱい梅干しの粉)、そして山頂の雪のようにたっぷりとかけられた練乳などがあります。

今では、たくさんのシェイブアイスの店がハワイのあちこちにあります。オアフ島ノースショアにあるMatsumoto’sやAoki’s Shave Ice(アオキシェイブアイス)のような伝統的スタイルの家族経営店から、カウアイ島のThe Fresh Shave(ザ・フレッシュシェイブ)やオアフ島のUncle Clay’s House of Pure Aloha(アンクル・クレイズ・ハウス・オブ・ピュアアロハ)のように自然素材だけを使ったフルーツシロップが特徴のお店など。また、カウアイ島のWailua Shave Ice(ワイルア・シェイブアイス)やハワイ島のOriginal Big Island Shave Ice Co.(オリジナル・ビッグアイランド・シェイブアイス・カンパニー)のように、シェイブアイストラックで販売するお店もあります。

どのお店で食べても、暑いハワイにぴったりのカラフルで冷たいデザートを満喫できること間違いありません。地元の味シェイブアイスを食べたら、ますますハワイのとりこになるはずです。

 

著者 Tiffany Hill

August 30, 2019