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Hawaii is Our Home

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航空業界のニューノーマルに備えて

年に一度の資格認定研修でホノルル本社を訪れるハワイアン航空のパイロットおよび客室乗務員は、新型コロナウイルス感染症に備えた新しい環境で研修を受けています。

年に一度の資格認定研修でホノルル本社を訪れるハワイアン航空のパイロットおよび客室乗務員は、新型コロナウイルス感染症に備えた新しい環境で研修を受けています。

新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大した3月、ハワイアン航空ではほとんどの便を運休するという苦渋の決断をしたほか、会社の成長計画を中断し、採用停止も決定しました。新入社員教育を行う必要がなくなったため、乗務員が現場に復帰する前に、時間をかけて乗務員向け研修プログラムの見直し、再編を行いました。

客室乗務員へのサポート

客室乗務員向けの研修は約2ヶ月の中断を経て6月1日に再開しました。再開にあたっては、アメリカ疾病管理予防センター (CDC) および連邦航空局 (FAA) の健康に関する推奨に従って、座席形態を変更しました。

ハワイアン航空の教育担当ディレクターであるRyan Cascoは、自身のチームが2,100名を超える客室乗務員に支援や研修を提供することに注力し続けていると語ります。客室乗務員は、便数を減らしながらも運航を続けている不可欠なフライトに日々自信を持って安全にお客様をお迎えしており、ハワイ州が島間旅行者に対する隔離措置を緩和する6月16日からハワイ諸島間線で多くのお客様と機内でお会いできるのを楽しみにしています。

ホノルル本社で年に一度の再認定プログラムを受講する客室乗務員

「研修というのは、現役の客室乗務員を再認定し、彼らの成長を促すものです。新入社員教育を受けた客室乗務員は、その後も年に一度の再認定研修を受講することが求められます」とCascoは述べます。「資格を得られないと乗務できませんから、再認定はとても大切です」

Cascoは「私たちが前進するために下す研修についてのあらゆる決断は、将来私たちが研修を実施する上での優先順位を決定づけるものになるということは分かっていました」と言います。Cascoのチームはこの数週間、コロナ禍における再認定研修のあるべき姿を話し合ってきました。「私たちは、研修自体はこれまでと同様に実施し、研修中の予防措置について改訂を加えることにしました。変更したのは、設備の使用や特定のスキルの実践、個人用保護具の使用などに関する点です。私たちは、ハワイアン航空の安全手順の完全性がどの段階でも少しも損なわれないようにしたいと考えています」

機内モックアップでの避難訓練にて、5名の研修生に非常口ドアの開け方を教える講師

年次研修では、研修室での座学2日間(8時間/日)と総合的な通信教育プログラムなど、スキルに応じて約22時間の学習を行います。現在、研修生は互いに2mの距離を確保し、共有の研修用設備に触れる際や実地研修時には手袋を着用しています。また、接客時にマスクの着用が求められていることを受け、研修時も同様にマスクを着用するよう推奨されています。講師は講義が終了するごとに設備の拭き取り清掃を行っているほか、夜間には講義室および研修施設を徹底的に清掃しています。

「研修を受けに来た客室乗務員には、対応能力が試されるさまざまな課題や避難命令が出されます。繰り返し実施される研修を通じて、私たちはハワイアン航空の客室乗務員が安全のプロとして大変有能であり、弊社の企業価値を体現し続けていることを確認しています。客室乗務員には、アロハ、po‘okela(卓越性)、ho‘okipa(ホスピタリティ)、lōkahi(結束)、mālama(思いやり)などのハワイアン航空の軸となる企業価値(コロナ禍のものとコロナ後のもの)をいかに表現し続けるかを講師からしっかり学んで欲しいと思っています。企業価値が現場で体現されているかを確認することはとても重要です。なぜならこの企業価値により弊社は他社と一線を画した存在になっているからです」とCascoは語ります。

受講者数20名の再認定研修は、以前は2つのグループに分けてグループごとに2名の講師をつけていましたが、現在は適切な距離を保つために5名のグループを4つ作り、各グループを1名の講師が担当しています。

客室乗務員は年に一度の再認定研修で複数のスキルを実践する必要があります。この写真は、緊急脱出訓練中の客室乗務員がドアの開閉を練習しているところです。

Cascoによると、「スタッフの配属は以前と同じです。唯一変わったのは、グループ数が増えたのでより多くの研修室が必要になったことです」とのこと。

6~7月で約600名の客室乗務員が再認定研修を受ける予定ですが、通常であれば2ヶ月間で20回の講義を行うところ、23名の講師が26回の講義を行うことになっています。7月を過ぎると研修の回数も減っていくと思われますが、自主休業中の客室乗務員が復職し始めるとまた再認定研修の日々がやって来るはずです。

Cascoはハワイアン航空が新たな日常に対応した業務を開始する前に研修を始められたことを嬉しく思っています。

「弊社には毎日最前線で働く客室乗務員がいますので、会社のメッセージを伝える場である研修を継続して実施することはとても大切です。客室乗務員にいつも通り業務を行うよう要求するのであれば、私たちは客室乗務員を支援して、質問に答え、不安に感じていることに耳を傾ける必要があります。新型コロナウイルス感染が拡大している間は休みを取ることが重要だということも理解していますが、乗務員に現場に出て機内でお客様をおもてなしするよう求めている以上は、私たちは前に進まなければなりません」と、Cascoは言っています。

パイロットの必要条件を維持

4月にパイロット向けの研修プログラムを再開したとき、私たちは850名を超えるパイロットが常にFAAの条件を満たしていることが重要であると判断して、従来の「企業の成長にフォーカスする」という方針を転換しました。

ハワイアン航空のパイロット研修では常に最先端の技術・知識を提供してきました。パイロットは各自のスキルに応じた複数のステップからなる講座を受講しますが、これには高い熟練度と事前に幅広い知識の習得が求められます。こうした研修を受けたパイロットだけが尾翼にPualaniが描かれた機材を操縦できるのです。研修には、新たな種類・等級の航空機を操縦するための研修、階級昇進時研修、新入社員研修といった6~8週間のカリキュラムが組まれた長期研修や、パイロットが連邦政府の規制に準拠していることを保証する年に一度の再認定研修など、さまざまなものがあります。ですが、新型コロナウイルスの感染が広がると、事態はより複雑になりました。

ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港の滑走路に列をなして駐機するハワイアン航空の航空機

「新型コロナウイルスの感染拡大が始まったとき、弊社は事業拡大の局面にありました。多くのパイロットに操縦機種の変更を行ったり、新しい航空機を導入したり、新路線での運航を開始したり、退職者と新入社員が入れ替わる時期でもありました」と語るのは、ハワイアン航空で運航基準および資格担当シニアディレクターを務めるBrian Beres。「4月には私たちは何を優先すべきかを評価しなければなりませんでした。そして、現役パイロットがFAAの条件を満たし続けることが重要だという結論に達したのです。操縦機材の種類・等級を変更するための研修は中止せざるを得ませんでした」

「パイロットが条件を満たすということに焦点を移せたのは、Air Line Pilots Association InternationalおよびAirlines for Americaの後押しもあり、FAAが規則を免除してくれたからです」と、Beresはアメリカの他の航空会社も同様の困難に直面したことについて触れ、このように説明します。「FAAが特定の規制要件を一時的に緩和してくれたおかげで、私たちは必要に応じて規則の期限を遅らせることができました」 パイロットは、資格を継続するための研修(技術的なスキルの実践込み)の受講に加えて、最低飛行時間または「最近の着陸経験」の条件も満たす必要があります。

「FAAは、各パイロットが90日間で3回の離着陸を行うことを求めており、通常であればこれは難なく達成できる回数です」と、Beresは言います。「しかし、多くのパイロットが資格を継続できる立場であるにもかかわらず、航空機が飛んでいないために最近の着陸経験の回数を達成できないという、前代未聞の状況となっています。ハワイアン航空では90%以上のフライトを削減していますが、パイロットの人数は以前と変わりません。私たちはこれが一時的な状況であってほしいと願ってはいますが、問題は資格の継続と最近の着陸経験の両方を維持しなければならないという点です」

そこで、ほとんどの機材が駐機中という困難な状況の中、エアバスA330型機およびA321neo型機のパイロットは一時的に最近の着陸経験研修を社内のフライトシミュレーター (SIM) で実施しています。Beresは、実際のコックピットからシミュレーターでの研修に変更することで、研修を受けられるパイロットの人数が制限されることにはなるものの、SIMでの着陸研修は最近の着陸経験の回数を維持するためにFAAが認可した方法の一部であると述べています。現在、ハワイアン航空では毎日50名のパイロットが乗務しており(新型コロナウイルスの感染拡大前は217名)、SIM施設では1日につき15~20名のパイロットが研修を受けることができます。

ソーシャルディスタンスを保つため、研修室の収容人数を縮小し、講師とパイロットには研修で会議室に集まる際にマスクの着用を求めています。

「これは通常なら頭を悩ませなくてもよい問題です」とBeresは言います。

さらにBeresは、ボーイング717型機のパイロットにとっては、問題はさほど深刻ではないと語り、

「幸いなことにハワイ諸島間フライトは運航を行っているため、717型機は他の機材に比べて着陸の機会が多くあるのです。ですから717型機に関しては状況はそう難しくないのです」と続けます。「ただし、着陸経験が必要なパイロットについては運航を行っている路線のフライトに振り替えて、各条件を満たせるようにしなければなりません。そのため私たちは乗務員のスケジューリングを行って、パイロットを交代させています」

ホノルルで離陸を待つボーイング717型機

研修室およびシミュレーターでは、研修生は州およびCDCの推奨に基づく新しい条件にも従う必要があります。ソーシャルディスタンスを保つため、研修生の人数を20名以上から10名以下に減らし、研修生と講師にマスクを支給し、施設全体を毎日徹底的に清掃しています。研修室と研修設備には清掃用具を配置し、乗務員とSIM技術者がセッションごとに人がよく触れるところを拭けるようにしています。

ハワイアン航空のパイロットは最高レベルの能力を維持しており、旅行に関する規制が緩和された際には多くのお客様をお迎えできるよう準備を整えているとBeresは言います。

「通常、スキルの習熟というのは業務の中で自然に深まるもので、わざわざ気を揉むものではありません。そのため、90%のフライトが運休すると決まったときには方向転換をせざるを得ませんでした。これはハワイアン航空に限ったことではなく、業界全体で起こったことです」とBeresは語ります。「弊社には最先端の研修設備を備えているため、私たちがより多くの路線での運航再開を待ち望んでいる間にも、パイロットは飛行時間を記録し、スキルを磨くことができます」

著者 Marissa Villegas,
External Communications

September 14, 2020